メーデーを考える

去る4月25日、第80回愛知県中央メーデーを矢場公園で開催しました。当日はあいにくの雨、それでも多くの方々に集まっていただくことができました。雨の中、運営委員の皆さんにも、ずぶ濡れになりながら役割を果たしていただき、本当にありがとうございました。さて、メーデーの起源は、1886年、アメリカのシカゴで一日の労働時間が12~14時間であったものを8時間に変えるために労働者が立ち上がり、経営者と交渉したことにあります。最終的には20万人の人々が団結し、労働時間を8時間とする協約を結ぶことに繋がったのです。この出来事が世界に伝わり、5月1日を労働者の祭典としてメーデーと定め、今日まで伝えられてきました。この間、さまざまな出来事があり、そんな中、メーデーは、これまで、実に80回もの歴史を積み重ねてきたのです。この歴史から、わたしたちが何を考えるかが大切だと思っています。


「労働者一人ひとりの力は小さくとも、大勢が団結すれば、山は動く」、このことは、これまでのメーデーの歴史が、わたしたち後輩に教えてくれている『真実』だとわたしは考えます。だからこそ、組合役員である以上、一人ひとりの労働者(組合員)が何に苦労し、何を求めているのかなど、十分に把握しておく必要があります。その上で、自分たちが行うべきことは何かを見極め、勇気をもって最後まであきらめず行動することが重要だと思っています。 わたしたち後輩が、メーデーの歴史から学んだことを、日ごろの活動に生かさなければ、メーデーを実施する意味が薄れてしまう気がしてなりません。是非、皆さんも一度、メーデーついて考えてみては・・・。



WBCでの優勝や水泳、フィギアスケート等、国際的な大会での上位入賞、スポーツの世界を見れば最近の日本の活躍は、私たちを元気づけてくれます。また、「おくりびと」のアカデミー賞の受賞やノーベル賞の受賞など、日本という小さい国から世界を舞台に活躍できる人材が増えてきていることに、誇りと喜びを感じます。学校教育など人材教育についてはさまざまな議論がありますが、現在のあり方の是非についてはともかく、多くの分野で日本人が国際的に通用するようになってきたように思われます。


4月に入り、多くの企業で入社式が行われました。テレビでの新入社員の皆さんのコメントの中で、「厳しい環境の中で入社した私たちだからこそ、この状況をバネにして、ピンチに強い人材になれると思う」という発言が印象に残りました。まだまだ、経済の厳しさとともに、雇用も厳しい状況が続きます。しかし、働く者一人ひとりが「こんなときだからこそ」という力強い気持ちをもっている限り、日本は必ず復活すると信じます。



3月の下旬をむかえ、例年以上に早く桜が咲き始め、街の雰囲気もめっきり春らしくなってきました。四季の変化が美しい日本に住んでいる以上、だれでも感じることだと思いますが、わたしも組合役員になって、この春の訪れを従来以上に意識するようになりました。あらためて言うまでもなく、日本では春(4月)はスタートの季節です。


入学、入社は言うまでもなく、学生であれば4月には学年が一つ上がり、会社は新年度をむかえ新しい事業方針に基づいて活動を推進していきます。仕事をもたない高齢の方を除けば、大変多くの方がこの時期に新しいスタートをきることになるはずですが、会社に入ってからは、この新たなスタートをあまり意識せずに過ごしている人も多いのではないでしょうか。学生にとっては、毎年の進級においても、新しい先生のもと、新しい仲間と共に、新しい教科書での勉強が始まります。ましてや、辛かった受験を終え進学した新入学生は、希望と期待で胸が一杯のはずです。また、社会人1年目となる入社の時期は、多くの人にとって新入学以上に記憶に残る人生の大きな節目だと思います。しかし2年目以降はどうでしょう。4月に定期人事異動がある会社でもなければ、会社の新年度方針が公表されたり、春闘交渉の結果としての賃上げが実施されたりしたとしても、自分から意識をしなければ見過ごしてしまうことかもしれません。


しかし、我々労働組合は毎年の春闘の取り組みにおいて、組合員の立場で構築した要求に基づき会社と交渉を行い、会社のおかれた状況も正しく認識した上で、賃金・一時金をはじめとする労働条件をどうするか決定しています。3月23日現在、厳しい経済環境や会社の業績を反映して、例年以上に多くの組合で交渉が続いており、既に解決した組合の結果も賃金・一時金ともに厳しい内容となっています。交渉中の組合役員の皆さんは、最後の最後までがんばって納得のいく回答を引き出してもらいたいと思います。そして、交渉を終えた組合役員の皆さん、大変お疲れ様でした。それぞれの結果に対する評価もさまざまだと思いますが、例年以上に厳しい評価をされる組合が多いのではないでしょうか。評価が厳しければ厳しいほど会社との認識の差が大きかったということであり、その差を組合員に詳しく伝え、今後の取り組みの重要性を正しく認識してもらえるように、最後にもうひとふんばりしてもらいたいと思います。難局に立ち向かう新年度を迎えるにあたり、一人ひとりの組合員が新たな気持ちで取り組みを始めるために・・・。



春闘に思う!

わたしたち労働組合は、春闘の取り組みに多大な時間と労力を費やす。昨年の10月ごろから議論を始め、それぞれの構成組織の議論に加わり、そして、自らの組合員と向き合いながら2009年度の春闘方針について検討し続けてきた。「どうしたらこの一年間がんばってきた組合員が報われるのだろうか」「企業の経営状況や支払い能力は現在どうなっているのか」などを常に念頭におき、要求案の盛り込み内容などを議論してきた。そういった議論をしていると、次のような考えも頭をよぎる。「春の交渉は単に金額を決めるためだけに交渉しているものではないはずだ」「企業が永続的に存続することも必要最低条件であることはまぎれもない事実なんだ」等々・・・。


そこでもう一度改めて考えてみる。すると、「企業の両輪である『経営者』と『組合員(社員)』がともに将来を見据えて、企業の現状とこれからの企業活動の方向性などを、どう認識して問題を共有化できるか」が一番大切であるという考えに至る。経営者のみの視点に立った企業経営だけで、企業がよりよい方向に進むはずはない。やはり、組合員(正規、非正規)の視点に立った経営はもちろんのこと、組合員の勤労意欲がなければ企業の行く先は必ずしも明るくはないと思う。故に労働組合は、交渉状況を組合員に報告しながら経営者との交渉に臨んでいると思う。そもそも、組合側と経営者側では考える基点が違う。だからこそ互いの意見がぶつかるのだ。このそもそものところがなければ組合の存在意義はなく、労働組合が果たすべき役割なのだ。


労働組合は、結果として、今年の要求に対しての結論を導き出さなくてはならない。組合員の将来の幸せに結びつくような春闘となることを祈願するとともに、激励とさせていただく。ともにがんばりましょう!



アメリカのオバマ大統領が、不況対策に苦労しているようです。同様に日本政府も苦慮していますが、日本政府のこれまでの対策はいずれも緊急対策であり、現在の不況には焼け石に水となりそうです。ここ最近の消費動向を見ると、衣料等の贅沢品?が厳しい状況かと思いきや、1月末頃から生活必需品である食品関連までもが厳しくなってきたようです。今後、生活防衛のためにどれほど消費が冷え込むのでしょうか。また、ダブルジョブの動きも出てきました。正社員の中でも、残業カットのみならず時短による賃金カットもあり、ローン返済のために少しでも稼ぎたいということでの流れだと思われます。


このことで思い出されるのは、数年前、わたしの出身企業が一時金の削減を行ったときのことです。当時単組の役員として、わたしは各職場に一時金削減に関する説明に回っていました。そのとき、ある組合員に言われた言葉です。「企業が厳しい中、存続のために賃金がカットになることの理解はできる。しかし、家のローンや子どもの教育費を考えると本当に厳しい」そういってその組合員の方は下を向いて黙り込まれ、わたしはその言葉に何も言葉を返すことができませんでした。


政治が混乱している昨今ですが、このような事態を一刻も早く打開する抜本的な対応が政治には必要です。少しでも早く「わたしたちが希望を見いだせる社会」を築きあげる一歩を踏み出したいものです。



2009年の活動がスタートして早、一ヶ月が経過した。咋年から持ち越した継続課題は、雇用問題の解決と政権交代の実現であり、わたしたちは、大変重要な課題に立ち向かっていかなければならない。昨年は年明け早々に「原油・原材料」高に対する支援を愛知県、名古屋市に対し、中小企業支援を中心とした対策を要請してきた。また、年末には緊急雇用対策として、「つなぎ雇用の創出」、「住宅・生活支援策」について、これも労働局、愛知県、名古屋市に要請行動を行った。その結果、いくつかの具体策が講じられることになり一定の成果はあったものと考えている。しかし、今回の景気の減速はわたしたちの想像を超えるもので、どこまでの対策を打てば打開できるのか、だれもが確信をもてない状況ではないか。国の第二次補正も国会通過し、関連法案がこれから審議に入るが、現状を十分見据えた具体的対策でないと意味がない。愛知県とは「つなぎの雇用」にかかわる二つの事業についてこれから具体的な検討に入ることになっているが、量の問題としてどうか十分な論議をしていかなければならない。


今こそ、国・地方行政・企業・労働組合がそれぞれの立場で役割を果たしていかなければならない時期だ。そのために労組の果たすべき役割はより重要で、連合愛知は新たな雇用創出に向け政策提言を強めていかなければならない。そして、政治は大胆な政策を打ち出すべきであり、自らの保身ばかりを優先する麻生内閣では期待はもてない。そのために早期の政権交代が何よりも景気回復・雇用問題の解決の早道と考える。



明るい春をめざして

今年も春闘の時期をむかえることになりました。わたしにとって、労働組合の専従役員になって7回目の春闘です。最初の4年は、ある労働組合の役員として、職場の組合員と一緒になって要求内容の実現に向けて会社と交渉しました。特に最後の4年目は久しぶりに要求した賃金の向上分(いわゆるベア)の獲得に向け、過去に類を見ない活動を行いました。例えば、週末に全工場から家族含めた1万人を集めた集会の実施や、組合員全員の思いを横断幕に記して組合会館に掲げたり、連日、本社の前で千人規模でのシュプレヒコールを繰り返したりするなど、実際に陣頭指揮をとる立場で歯を食いしばって最後の最後まで取り組みました。その結果、最後の最後に要求どおりの水準の回答を得ることができました。正直、うれしくて涙が出たし、責任を果たせてホッとしたし、やりとげた満足感を仲間と共にかみしめることができました。

その次の2年は企業グループの労働組合の連合会役員の立場で、加盟する組合の委員長と共に闘う春闘でした。わたしはグループの中でも比較的規模の小さい組合を担当させてもらいましたが、それゆえ大手組合との労働条件での差が大きく、2年かけてその差を少しでも縮めようと取り組みました。中小は大手の回答を上回ることはできない、ましてやグループ内では尚更難しいということがよく言われます。しかしそれでは差は縮まるどころか開く一方で、結果大きな格差になってしまいます。わたしは担当する組合の委員長と、「大手の水準を超えて要求する必要性」と「どうしたら会社に大手を上回る水準を回答させることができるか」を徹底して議論し、お互い腹に落としあい、そして実行しました。1年目は何とか大手水準を上回る要求はできたものの、回答は並ぶのが精一杯でした。その反省を踏まえて2年目はベアの金額(例えば千円)でなく、賃金の絶対水準(例えば35歳で25万円/月)の低さを徹底的に訴え、最終盤には、会社が着地させたい回答水準を打診してくる前に、組合から、この水準(もちろん大手を上回る)でないと受け取れないというボールを投げ最後まで攻めを貫きました。そして高い水準での妥結が確実になった組合の結果は、共闘を組む他の組合の委員長に、携帯メールも駆使して伝えるなど、有利になる情報の共有を徹底しました。そうしたこともあり、大手を上回る回答を得た組合が大幅に増えました。上回ったといっても数円から500円位までがほとんどでしたが、100円上回った組合の委員長は「大手を上回る回答の重みをしっかりと受け止め、みんなで精一杯がんばっていこう」と結果に誇りをもって組合員に報告をしました。わたしもそれが誇らしく大変うれしかったことを記憶しています。


今年は、労働者・勤労者の代表である連合の役員として初めての春闘になります。組織内に向けた取り組みは言うまでもありませんが、代表という以上、組織外の勤労者に向けてしっかりと取り組んでいかなければなりませんし、今の社会情勢により連合の責任はより重くなっています。「人を大切にする」という基本的な考え方を忘れずに、皆さんと共に明るい春をめざして取り組んでいきたいと思っています。



新年明けましておめでとうございます。昨年は組合員の皆様をはじめ多くの方々に連合運動にご協力いただき活動をすることができました。今年も昨年同様ご協力をお願いいたします。さて、昨年はアメリカの金融不安を発端に、世界恐慌は大げさとしても大きな社会問題として、日本経済に大きな影響を与えています。内定取り消し、派遣切りなど勤労者を取り巻く雇用環境は悪化の一途をたどっています。愛知県の有効求人倍率も1,28まで低下し、更に下がり傾向に歯止めがかかりません。これまでの日本経済はバブル崩壊後、輸出に依存しすぎた経済であり、改めて内需主導とのバランスの取れた経済に移行しなければなりません。とは言っても働く場が無いことも事実であり、日本の第一次産業といわれて来た農業、漁業、林業などをはじめ、日本には必要な産業でありながら低下をしてきている産業を今一度見直す時期がきているのかもしれません。環境問題や食料自給率などを重要視する社会だからこそ、雇用をも生み出せる産業に立て直すことも含めた方向の転換が必要です。


今年の干支は牛です。人間とはすごく親しい家畜として共存してきた動物です。先に述べました農業などでは大きな役割を果たしてくれました。厳しい一年になりますが牛の果たしてきた役割をわたしたちは学び、辛抱強く前に進みたいと思います。皆様方のこの一年のご多幸、ご活躍を祈願致します。



寒い日が続いています。春になれば気温は上がりますが、わたしたちの懐は寒くなるばかりです。さて、昨今の日本の労働者にかかわる環境を見ると、これが本当に先進国の姿なのかという思いを禁じ得ません。もちろん、すべての国民が豊かな生活を送ることは難しいことなのかもしれません。しかし、働く意欲がありまじめに働いている人々が、派遣労働問題に代表されるように、消耗品のように扱われていることは、少なくとも成熟した国家では、あってはならないことだと思います。その原因は、国が国民を守る諸制度(特に社会保障)をこれまで企業まかせにしてきたことにあります。


かつて日本の多くの企業が終身雇用であった理由は、企業が労働者を企業内の福祉制度を通じて守ってきたからであり、企業がある面、国の果たすべき役割を果たしてきました。この「日本的な企業経営」こそが、戦後の日本の経済成長を支えてきました。しかし、他国からの干渉によって、あたかも「日本的な企業経営」が「悪」かのように言われ、規制緩和・民間化こそが「善」であるように法律が変わり、結果、今のような状況になりました。規制緩和・民間化が「悪」と言っているわけではありませんが、国の施策は一時期あまりに極端に偏り過ぎました。今後、どのような施策を取るにせよ、自らの国と国民に合った施策を信念をもって進めていってほしいものです。



連合愛知は10月28日に第20回定期大会を開催した。新役員体制を確立するとともに、向こう2年間の活動方針を決定し、新たな活動をスタートした。日本経済は、昨年末からの原油・原材料高、アメリカ発の金融不安が今年の中盤から日本経済にも影響が出始め、ここにきて雇用問題に直結しようとしている。先だっての地方連合事務局長会議では、「非正規雇用者や外国人労働者のみなさんが『雇い止め』をされた日から寮やアパートの退去を余儀なくされていること」や「新規学卒者の『内定取り消し』が散発していること」など、多くの問題が多くの地方連合から提起された。連合本部においては、事務局長による厚生労働省へ雇用問題での緊急要請が行われたところである。厚生労働省からは「雇用問題での補正予算を含む対策を講じるよう努力する。『内定取り消し』は地方労働局への届出義務があり、早急に調査・指導する」という旨の回答があったとのことである。

雇用問題は働く者にとっては死活問題である。連合愛知も当面の最重要課題として今秋予定している、愛知労働局との懇談や愛知経営者協会との話し合いの中で雇用問題の重要性を訴えていくつもりである。経済の麻生と言うなら第二次補正を早く法案化し今国会に提出すべきである。口先だけで何もできないようなら、前安倍・福田首相と何ら変わりばえしない。真の経済対策をだれがやるのか、国民に信を問うのは今ではないか。





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