憲法について
【2013.12.02】
ちょうど1年前に衆議院が解散し、総選挙が行われ民主党から自公連立に政権交代となり、その後7月の参議院選挙でも自公が多数となりねじれの解消にもなり巨大与党による政治となってしまいました。
政権交代後、アベノミクス、震災復興、TPP、消費税、一票の格差、原発などなど多くの政治的な問題が議論され、国民の間にもいろいろな議論、世論が持ち上がっています。
その中で、最近は新聞などマスコミにあがることが少なくなりましたが、憲法改正は世論を2分する重大な問題であると私は考えます。
そもそも憲法ってなんでしょう?
憲法とは、簡単に言えば、その国の「法律の親分」のようなもの。
一番上に憲法があって、その下にさまざまな法律が存在している、というイメージでしょうか。
しかし憲法は単なる「法律の親分」というだけでなく、憲法はその国権力者が守るべきものなのです。
そもそも憲法は国家権力を制限して、国民の自由と権利を保障するものなのです。
現在の日本国憲法は、戦後占領国のアメリカから押し付けられた憲法と言われていますが、実際のところは占領軍のマッカーサー司令官から新しく総理大臣に就任した幣原喜重郎に大日本帝国憲法を大幅に民主化した改正を求め、国務大臣を責任者とした「憲法問題調査委員会」を作り検討がはじめられました。
ところが、明治憲法とは大差のない日本案が作られていたものを新聞にスクープされ、それを読んだマッカーサー司令官が激怒し部下に命じて、「マッカーサー・ノート」と呼ばれる、“天皇がトップ・封建的制度廃止・戦争放棄”の三つの条件を満たす内容をわずか9日間で作成され日本側に示すことになりました。
またそれまでに日本にもさまざまな政党や学者のグループが改革案を発表しており、アメリカ側の草案作りに大いに参考にされました。
草案はアメリカが作ったものですが、その内容の多くは、日本の学者グループの改革案を参考にしたものでありました。
このようにして制定された「国民主権・基本的人権・平和主義」の憲法により戦後日本は復興し平和で豊かな国家となったのですが、憲法9条と自衛隊、集団的自衛権についての論議が繰り返され、憲法改正の賛否両論の国民世論が2分することになっています。
2012年に自民党による「憲法改正草案」が発表されてからは更に激しくなり、世論調査で賛成が反対を上回る結果も出ています。しかし、賛成の中には「今の平和主義の趣旨を徹底すべき」との意見での改正賛成も多くいるとの結果も発表されています。
憲法に対しての意見は賛否様々ですが、ある調査で「日本国憲法を読んだことがあるか?」と尋ねたところ、実に43%もの人が「読んだことがない」と答えたとのことでした。
憲法はその国のかたちを決めるものであり、私達の生活に密着したものでもあるので、私達も日本国憲法をもう一度読み直して、これからの日本のあるべきかたちを考えてみる必要があると思っていますが、さてあなたはどう考えるでしょう。