会社は誰のために

2月に入り節分、立春、プロ野球キャンプインと日々春に向かっていますが、まだまだ寒い日が続き、インフルエンザや胃腸風邪などが流行しています。これから労働界は春闘が本格化する時期ですので、みなさん体調にはくれぐれも気をつけて下さい。

さて、この春闘は、労働者代表(労働組合)が経営側と労働条件改善を要求し、生活水準の向上の交渉が主となりますが、同時に自分達の会社を向上させるために労使で話し合うことができる重要な機会であります。
しかし、最近経営側は、経団連が、「定期昇給(定昇)の凍結・延期」と言及し、これに対し連合は「定昇は労使で長期間かけて作り上げてきた制度であり、延期や凍結になれば労使の信頼関係が揺らぎかねない。」と強く主張するように労使関係の危機ともなりかねない状況で、残念ながら労使で会社を向上させるための真摯な話し合いの場に成りにくくなっています。

そもそも会社は誰のためにあるのでしょう!
出資する株主?経営する役員?商品やサービスにお金を出してくれるお客様?
しかし、会社は、家族のために一生懸命に働く従業員がいて、生産や営業するために必要な原材料や機械、事務用品などを供給する業者や掃除や警備といったサービスを提供する業者など、多くの関係者(ステークホルダー)がいて成り立っています。

今年初めある新聞の「会社は誰のために(年のはじめに考える)」という社説を読みました。冒頭「自分よりも他者の利益を優先する“他利”の輪が広がっている。」とはじまり、貧しいアフリカの国の支援や盲導犬協会にも寄付となる名刺を製造販売する印刷会社の話があり、その会社を紹介したのが法政大学大学院坂本光司教授でした。坂本教授は「日本でいちばん大切にしたい会社」の著書で知られるように多くの会社を訪問し、人を大切にし、幸せにする経営が正しい経営であり、そういう会社は業績が高まり成長していると説いています。

以前坂本教授の著書を読み感銘したことが思い出され、この考え方が日本中の会社に広まればもっと多くの人が幸せになり、最近のパワハラなどの社会的問題も少なくなると思いますが、みなさんもこの時期「会社(職場)は誰のためにあるのか」考えてみてはいかがでしょうか。




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