急増するパワハラの根絶を!
【2012.02.06】
皆様、この冬はかなり寒く、各地で大雪が降ったり、インフルエンザも大流行したりしていますが、元気にお過ごしでしょうか?
さて、昨年の東日本大震災から10ヶ月ほどが過ぎました。この間日本全体で、家族や地域の絆の大切さがマスコミなどで取り上げられ、人間関係が各所で見直されています。その一方で、職場を中心にした「いじめや嫌がらせ」といったパワハラ(パワーハラスメント)が労働相談にも毎月必ず報告されている状況があります。
パワハラは、人間関係のもつれを背景に悪化する労働環境も相まって多様なケースがあり、改善・解決策が困難な問題ですが、「うつ病」など精神的な病気を発症させる因果関係もあり、本人のみならず共に働く職場の多くの方にも影響を及ぼす大きな社会的問題です。
厚生労働省の円卓会議のワーキンググループ(作業部会)は2012年1月30日に、上司からのいじめだけでなく、同僚や部下からのいじめや嫌がらせも「職場のパワハラ」と定義すべきだとした報告書をまとめ、地位だけでなくITなど専門知識や人間関係などの職場内の優位性を背景に「業務の適正範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為」と定義しています。労働局に寄せられた職場の「いじめ・嫌がらせ」に関する相談件数は、2002年度の約6,600件から、2010年度には約40,000件に急増していることからも、パワハラが多岐に渡っていることを物語っています。
対策として、職場で発生しないよう防止策を講ずることが重要ですし、他のハラスメントと同様に表面に出にくい問題ですが、発生した場合は、解決させるために事実関係を把握し、職場の相談窓口や労働局、労政事務所など公的機関に早期に相談することにあります。
職場のパワハラを根絶させ、すべての働く仲間が協力して意欲的に仕事をすることができる職場が構築された「働くことを軸とする安心社会」の実現ため、一緒に行動しましょう。