自然の大切さ
【2011.02.18】
先日、公共放送局の「プロジェクトⅩ」という番組で、襟裳岬の森林保全に関する長年の取り組みについてのドキュメンタリー番組の再放送を見た。この中で出てくるのが、演歌でヒットした森進一が歌った「襟裳岬」の「襟裳の春は~ 何もない春です」というフレーズである。この番組は、このフレーズを打破すべく立ち向かった方々の取り組みを紹介したものである。私はこのドキュメンタリーを見るまでは、この歌詞の「何もない春」という馬鹿にしたものであるかどうかもわからなかったが、番組を見るにつれて、襟裳で暮らす人が替え唄で「世界一の春です」と歌った思いが伝わり、自然を復活する大変さが伝わってきた。
番組の内容は以下のようである。襟裳岬という地域は、もともと「えぞまつ・からまつ?」の茂る森があり、風をしのぎ、海には日高昆布が豊富に採れた土地であった。しかし、この土地は、人が暮らしていくために冬の燃料として、森林の木々を根っこに至るまでのすべてを人間が切り、なくしてしまったことから、土が海に流れ、赤い海となり昆布漁もできないものになってしまった。その後、土地を再生するべく、住民が立ち上がり、学識経験者及び営林局と連携し、「草も生えない、年中強風が吹く土地」である中、何十年もかけて力を合わせて森林を再生してきた、という内容である。
ここで思ったことは、人間は豊かに生活する上で、自然を簡単に破壊するが、その自然を元に戻すことは非常に大変なことであるということである。だからこそ、自然の大切さを将来に伝える立場にある私たちは、今起きている環境問題を認識し、世界規模で取り組むことは国境を超え、国内では政党の枠組みを超え、国民各自においても、できることから何でも取り組むこと。そして、私たちは、それぞれ与えられた環境の中で自然の大切さを考え、協力し合い、もう一歩踏み出した取り組みをしていくことが必要ではないだろうか。