今年の夏、ロシアで干ばつによって穀物単価が高騰した。一方、日本においても、梅雨時期の長雨・ゲリラ豪雨などでの日照不足、その後の猛暑の影響から、とりわけ野菜の高騰が続いた。これらは皆さんもご存じのことだと思う。今年の夏、改めて「食」の問題について考えさせられたのは私だけではないのであろう。


人間が生きていく上での基本は、衣食住であることは間違いないが、その中でも一番必要なものは、「食」であると思う。日本の「食」の現状はどうなっているのか?コメの自給率は100%と聞くが、食糧全体では40%くらいであり、ほとんどが輸入に頼っている。もし、世界のさまざまな事情により、我が国に食糧が入ってこないとなった場合、食糧価格が高騰し生活を圧迫することが予想される。また、飼料も入ってこないことを考えると肉や養殖魚も当然その影響を受け、私たちは、米と若干の野菜や日本近海で獲れる魚介類しか食べられなくなるのではないだろうか。


「食」の安全ということが、最近ではよく話題になるが、それよりももっと大切な「食べることもできない世界」になることが一番恐ろしい。だからこそ、日本は、輸入に頼り過ぎることなく、自らの力(個人及び国全体)で自給率を上げることはもちろん、日本の第一次産業の重要性を改めて見直すことが必要であると思う。そのためには、後継者不足に悩んでいる第一次産業従事者が、自信と誇りをもって仕事ができる体制を構築することが、重要である。そして、その上で、技術国家である日本は、世界の先頭にたち、食べ物の安定供給ができる技術革命をし、第一次産業+第二次産業の一体となった新しいビジネスモデルを策定し、経済大国として発展を!とは、高望みし過ぎだろうか・・・。




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