「成人式」を迎えるにあたり
【2009.12.08】
2009年11月28日、連合愛知は結成20周年を迎えました。当日は、記念式典と記念レセプションを行い、連合の古賀会長をはじめ、歴代の連合愛知会長や県内各関係機関や政党の代表者、連合愛知役員OBなど多くの方に集まっていただき、盛大に20周年を祝いつつ、今後のさらなる発展を誓い合うことができました。私も現役の役員の一人として、これまでの延長線上にある取り組みに留まらず、「現状の課題に対し何を成すべきか」という視点を常に忘れずに取り組みを進めていきたいと思っています。
ところで、20年は人間でいうとちょうど成人する大きな節目にあたります。日本では多くの人が高校卒業、あるいは大学卒業後に就職しますから、言い換えると成人すると社会人になるのが一般的と言えます。ところが、私たち連合が20周年を迎える本年、昨年秋からの世界的な不況により、就職したくても就職できない新卒者が大量に出てしまう非常事態に直面しています。10月末現在の来春高校卒業予定者の就職先内定率は愛知県で73.5%と昨年から13.5%低下し、過去10で最悪の2003年に近いレベルとなっています。大学卒業予定者も同様に経済情勢を反映し大変厳しい就職活動を余儀なくされています。行政も経営団体への要請や就職面接会の追加などの対策に取り組んでいますが、十分な結果に結び付いていないのが現状です。バブル崩壊後のいわゆる就職氷河期に就職できなかった人の中には、その後も長い間安定した職に就くことができず、派遣やパートといった形態で働き続け、今回の大幅な景気の悪化に伴い職を失ってしまった人が少なくないと思われます。従来、日本の雇用の枠組みは、終身雇用が前提でした。しかし、ここ数年間、途中から正規労働者になる道があまり開かれていない状態で、急激な規制緩和が進められたことにより、結果として非正規労働者が大幅に増えてしまいました。現在の最悪の雇用情勢の中、今後の日本社会を担う新卒者の多くが、就職することができないという事態は何としても避けなければなりません。
連合愛知も「成人式」を迎えました。今後も連合愛知として、行政や経営者団体に対し具体的な対策の提案含めて働きかけを続けるとともに、仮に新卒時に就職できなくても、その後に挽回することができる雇用の枠組みを整えるなど、安定雇用の実現に向けて新たな取り組みを模索していきたいと思います。