難局に立ち向かう新年度を迎えるにあたって
【2009.03.25】
3月の下旬をむかえ、例年以上に早く桜が咲き始め、街の雰囲気もめっきり春らしくなってきました。四季の変化が美しい日本に住んでいる以上、だれでも感じることだと思いますが、わたしも組合役員になって、この春の訪れを従来以上に意識するようになりました。あらためて言うまでもなく、日本では春(4月)はスタートの季節です。
入学、入社は言うまでもなく、学生であれば4月には学年が一つ上がり、会社は新年度をむかえ新しい事業方針に基づいて活動を推進していきます。仕事をもたない高齢の方を除けば、大変多くの方がこの時期に新しいスタートをきることになるはずですが、会社に入ってからは、この新たなスタートをあまり意識せずに過ごしている人も多いのではないでしょうか。学生にとっては、毎年の進級においても、新しい先生のもと、新しい仲間と共に、新しい教科書での勉強が始まります。ましてや、辛かった受験を終え進学した新入学生は、希望と期待で胸が一杯のはずです。また、社会人1年目となる入社の時期は、多くの人にとって新入学以上に記憶に残る人生の大きな節目だと思います。しかし2年目以降はどうでしょう。4月に定期人事異動がある会社でもなければ、会社の新年度方針が公表されたり、春闘交渉の結果としての賃上げが実施されたりしたとしても、自分から意識をしなければ見過ごしてしまうことかもしれません。
しかし、我々労働組合は毎年の春闘の取り組みにおいて、組合員の立場で構築した要求に基づき会社と交渉を行い、会社のおかれた状況も正しく認識した上で、賃金・一時金をはじめとする労働条件をどうするか決定しています。3月23日現在、厳しい経済環境や会社の業績を反映して、例年以上に多くの組合で交渉が続いており、既に解決した組合の結果も賃金・一時金ともに厳しい内容となっています。交渉中の組合役員の皆さんは、最後の最後までがんばって納得のいく回答を引き出してもらいたいと思います。そして、交渉を終えた組合役員の皆さん、大変お疲れ様でした。それぞれの結果に対する評価もさまざまだと思いますが、例年以上に厳しい評価をされる組合が多いのではないでしょうか。評価が厳しければ厳しいほど会社との認識の差が大きかったということであり、その差を組合員に詳しく伝え、今後の取り組みの重要性を正しく認識してもらえるように、最後にもうひとふんばりしてもらいたいと思います。難局に立ち向かう新年度を迎えるにあたり、一人ひとりの組合員が新たな気持ちで取り組みを始めるために・・・。