人類の努力が平和と核兵器廃絶を実現する
【2018.09.18】
自然の猛威になすすべがなく人類の無力さを実感している。6月の大阪北部地震以降、7月の西日本豪雨とその後の記録的猛暑、台風被害と続く先の北海道胆振東部地震と甚大な自然災害が多発している。尊い命を落され・被災された皆様に、哀悼の意を表するとともにお見舞いを申し上げ、一瞬にして破壊された日常生活が一日も早く元に戻ると同時に、地域社会の復興・再生を願うものである。あわせて、災害に対する事前予測は限られるが、災害に強い街づくりと防災・減災対策を強化するとともに、個々人も含む事前の「備え」に万全を期さなければならない。
一方、一瞬にして尊い命を奪い、日常生活を破壊する戦争・核兵器使用は、人類の力と努力によって事前に回避できると信じている。私たちは、恒久平和の実現をめざし、平和運動(行動)に取り組むとともに、唯一の被爆国として世界の人々と手を携えて核実験の禁止を訴え、核兵器廃絶に向け活動と努力を続けてきた。
その取り組みの1つとして、9月6日には、在名古屋アメリカ合衆国領事館の主席領事に対し、「核兵器廃絶に向けた要請書」を連合愛知とともに、あいち平和フォーラムおよび愛知KAKKINの三団体連名で手交した。(今後、在名古屋中国領事館にも要請を予定)
要請書の主な内容は、原爆投下から73年が経った現在も、原爆による心と体の痛みに多くの人が苦しんでいる中で、世界には未だに14,900発もの核弾頭・核爆弾が存在し、人類を脅かし続けており、核軍縮に向けた核保有国の責任を求めたものである。
この間、連合は6月の沖縄を皮切りに、8月の広島および長崎、9月の北海道・根室(本年は地震のため中止)と平和行動に取り組み、恒久平和の実現をめざして、沖縄の米軍基地整理縮小と日米地位協定の抜本的見直しとともに、核兵器廃絶・北方領土の早期返還などを求めてきた。また、核軍縮をめざし5年毎に開かれる核兵器拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、国際労働組合総連合(ITUC)と連携した活動を進めており、2015年の再検討会議に際しては、世界的規模の「核兵器廃絶1000万署名活動」を行い、さらなる取り組みを要請したが、残念ながら核保有国と非保有国との対立により、合意には至らなかった。
しかし、核兵器をめぐる情勢は、現在大きな転換を迎えようとしており、昨年、国連において「核兵器禁止条約」が、核保有国とその同盟国(日本も反対)の反対はあったものの採択され、核兵器を禁止する国際社会の強い意志が示された。さらに、朝鮮半島の平和と非核化に向けて、南北首脳会談に引き続き、本年6月に史上初の米朝首脳会談が行われ共同声明が出された。今後、着実かつ早急に具体策や期限・プロセスを明確にしていく対話に期待したい。
連合は転換期を迎えた、とりわけ極東アジアにおける平和・非核化の動きを踏まえた中で、2020年のNPT再検討会議に向けて「核兵器廃絶1000万署名」に取り組むことを2019年度活動計画で提起しており、引き続き、平和と核兵器廃絶の実現をめざして、努力を続けていかなければならない。