1月26日の午後、連合本部の要請に基づき東海ブロックとして、外国人技能実習機構名古屋事務所に対し、「外国人技能実習制度の適正な実施に関する要請」を実施した。
これは、外国人技能実習制度が長時間労働や賃金不払い、最賃を下回る低賃金等の労働関係法令違反、旅券取り上げ等の人権侵害事案などの課題が指摘されている中で、制度の適正な実施と技能実習生の保護を目的とした「外国人技能実習法」が、2017年11月1日より施行されたことを踏まえて行ったものである。
施行された「外国人技能実習法」は、監理団体・実習実施者に対する報告徴収、実地検査等の法的権限を持つ外国人技能実習機構の創設(全国13事務所・支所)をはじめ、技能実習生ごとに作成する技能実習計画を認定制にするとともに、技能実習生を受け入れる管理団体と実習実施者をそれぞれ許可制・届出制とし、人権侵害行為等の禁止および罰則規定を整備しており、まさに技能実習制度の適正化をめざしている。
厚生労働省のとりまとめによる労働基準監督署に報告があった外国人技能実習生の労災認定された死亡事案は、2014~2016年度の3年間で、計22人に上ることが1月15日に報道された。大半が事故とみられるが過労死も1人おり、政府統計で技能実習生の労災死の実態が明らかになったのは初めてであり、このことは日本の雇用者全体における労災死比率を考えれば、大きく上回っていることがわかる。
技能実習の名の下に、日本人より危険で過酷な労働を負担している現実が示されたものと受け止めるとともに、労災隠しが横行しているといわれている中で、実際の件数はさらに多い可能性も指摘したい。
さらに、ここ愛知県においても2月5日に幸田町の護岸工事で、ベトナム人の実習生が誤ってショベルカーの下敷きになり死亡するという痛ましい労災死亡事故が発生した。昨年10月の来日以降、実習生として働いているとの報道であったが、日本語での意思疎通の難しさと慣れない労働環境の中で、労働安全衛生に問題がなかったのか、事故原因の究明とともに検証が必要である。
最後に実習生の仕事は、農業・機械加工をはじめ、新たに介護が加わるなど拡大を続け、70余りの職種となっており、愛知県には約2万7千人の実習生が働いているが、改めて、安価な労働力ではなく開発途上地域への技術等の移転を図り、経済発展を担う「人づくり」に協力するという趣旨を徹底し、国際貢献としての重要な役割を果たすことを求めたい。
追加で、最近見たお薦めのレンタルDVD、「ちょっと今から仕事やめてくる」を紹介したい。ブラック企業で働く主人公が自殺まで考え、自殺寸前で助けられた青年との不思議な関係と信頼を築き、最後には会社を辞めて自分を取り戻すストリー(後は見てのお楽しみ)となっている。働き方改革が注目を集めている中で、未だにあるブラック企業を題材とした邦画として、是非、見ていただきたい。





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