連合は、2019年11月をもって結成30年を迎えます。1989年11月の結成以降、節目ごとに、あるべき社会像と運動の羅針盤とする「ビジョン」を提起してきました。2001年の「労働を中心とした福祉型社会」、それを継承・発展させた2010年の「働くことを軸とする安心社会」。そして、今回、結成30周年を迎えるにあたって、2035年を展望した「連合ビジョン」を策定しました。これは、「働くことを軸とする安心社会」の価値観を継承し・進化させ、さらに「まもる・つなぐ・創り出す」をキーワードに、実現に向けた「運動面の強化」と「政策面の充実」を盛り込んだものとなります。

 めざす社会像としては、「働くことに最も重要な価値を置き、だれもが公平な労働条件の下、多様な働き方を通じて社会に参加できる。社会的・経済的に自立することを軸とし、それを相互に支えあい、自己実現に挑戦できるセーフティネットが組み込まれている活力あふれる参加型社会」を引き続き掲げています。この社会の実現に向け、「まもる・つなぐ・創り出す」を軸とする運動の再構築をはかります。

 「まもる」とは、「働く仲間一人ひとりに焦点をあてた運動」です。具体的には、①集団的労使関係の確立・拡大、②ワークルールの整備、③セーフティネットの整備に取り組みます。

 「つなぐ」とは、「働く仲間・地域をつなぐ運動」です。組合員が主体的に労働組合の活動に参加できるような配慮や魅力の向上に取り組みます。また、地域の若年無業者や独居高齢者などに支援をいきわたらせることができるよう、参加の輪を広げ、労働組合が結節点となり、地域社会をつなぎ、支えていきます。

 「創り出す」は、「社会・経済の新たな活力を創り出すこと」です。まず、「人を大事にする企業・組織、人間中心の社会の在り方」を追求します。これからは、「人への投資」がいっそう重要になり、生み出された付加価値をサプライチェーン全体で分かち合い、すべての人に行き渡らせることが経済の活力強化のカギになります。また、新たな社会的課題の解決に向けて生産性三原則を前進・進化させ、企業の成長と働く者の働きがいを両立させていけるよう取り組みを進めます。

 この連合ビジョンに基づき、今後も連合はめざす社会像とともに、「持続可能性」と「包摂」を基底に置き、年齢や性、国籍の違い、障がいの有無などにかかわらず多様性を受け入れ、互いに認め支え合い、誰一人取り残されることのない社会の実現に向けて、構成組織・地域協議会と一体となって取り組みを進めてまいります。






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