投票にいこう

 5月末からの1週間、第26次労福協友好訪中団に参加しました。これまで中国を訪れたことのない自分にとっては不安そのものでしたが、訪問先の総工会の方々にお世話になりながら、無事に視察を終えて戻ってくることができました。
視察の中で印象に残っているのは、中国市街のスケールの大きさです。地域によって違いはあるものの、人や車の多さはもちろん建物の大きさや数は日本でみられる景色とは大きな違いでした。
一方で、スケールの大きな建物の周りには、道を隔てて古くからあるような小さな家屋が立ち並んでいる場所も多くありました。また、高くそびえ立つ超高層ビル群の脇には人がひしめきあって住んでいるかのような住宅ビルも見られ、どちらかというと自分にはこうした様々な場所でみられる「差」に目を留めることが何度かありました。
中国でこうした差を感じたのは一方のスケールの大きさが並はずれているせいだったからかもしれません。しかし、日本においても様々な場面における差が「格差」という言葉によって日々取りざたされているのも私達にとっての日常です。
自分はいつも一部のスケールの大きなものや華やかなものばかりに目を奪われてしまいがちです。そうした中でも本来は大きなものの中に埋もれてしまっている人たちに目を向け、その声にこそきちんと耳を傾けることで仕組みやルールが改善されていく。これが行われなければ全体が高まっていくことはないのだと改めて考えさせられました。
現在、参議院選挙の期日前投票が始まり、少しずつ選挙ムードが広がりつつあります。
国民一人一人が改めて今の政治と自分の生活を見直し、確実に票を投じることがそれぞれの立場から声をあげていくことになり、日本全体の底上げにつながるはずです。特に今回から18歳以上に引き下げられた選挙権で新たに投票する権利を得た若い人々にとっては、これまで届けられなかった声を届けるチャンスとなります。
日頃届けることができない一人一人の声を届けられるこの機会を大切にして、みなさんでぜひ投票に行きましょう。




平和を願う

 5月27日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は、先進七カ国(G7)が財政と金融政策、構造改革を進めるとした「伊勢志摩経済イニシアチブ」などを盛り込んだ首脳宣言を採択し、閉幕した。議長国である日本のリーダーは、「財政出動」や「経済危機」への言及にこだわり続ける中、G7が結束して世界経済の成長にけん引する強いメッセージをだしたと強調した。果たして、日本のリーダーの姿勢を世界はどのように評価しているのだろう。

歴史的な行動として、米国の現職大統領が初めて、第二次世界大戦末期に原子爆弾が投下された広島市の平和記念公園を訪問した。演説では、謝罪を意味する表現はなかったが、悲しみ、哀悼の気持ちが込められた内容を、被爆者の皆さんの心にはどのように受け止めたのだろうか。71年間という悲しみが、ほんの少しでも癒されたのだろうか。残念ながら原爆資料館見学はわずか10分程度だったことに、憤りを感じる。原爆の恐ろしさ、被害の実態、悲しみや苦しみを直視し、心にしっかりと焼き付けて欲しかった。

共同通信が、全国の有権者を対象に5月28・29両日に実施した全国電話世論調査(1,471件のうち回答1,026人)では、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は、「評価する」「どちらかといえば評価する」で、78.4%となった。また、米国大統領の広島訪問を「よかった」とする回答は、98.0%に達した。この回答を皆さんはどのように捉えるだろう。

今年も、まもなく暑い夏を迎えます。そして、連合「恒久平和の実現を求める平和集会」もスタートを切ります。日本は、唯一の被爆国であるからこそ、戦争の悲惨さ、平和の尊さを一番重く受け止めている国であります。恒久平和の実現を願う発信国とし、私たち一人ひとりが行動を起こさなければなりません。





ページの先頭へ戻る