「再開」と「再会」
【2014.03.03】
東日本大震災からまもなく3年になります。
昨年、3度も仙台市を訪れる機会がありました。
一度目は夏にプライベートで仙台市に住む先輩を訪ね、震災時の話を聞きました。ご家族は全員無事でしたが、実家が流され思い出がすべて無くなってしまったことが心残りだと話してくれました。
二度目は、連合本部青年活動委員会として連合宮城の青年委員のみなさんと10月のユースフォーラムでの視察ルートを確認するため仙台市・名取市・岩沼市を回りました。海岸近くはいまだ、住宅があったであろう区画が雑草に覆われながらも残されているだけで、住民が戻ってこられるような状態ではありませんでしたが、ところどころに黄色いハンカチがはためいており、「必ず帰ってきます」というメッセージを見た時にはこみ上げてくるものがありました。
その後訪れた、野菜や魚、肉、雑貨などのプレハブ仮設のお店が並ぶ「閖上(ゆりあげ)さいかい市場」は、「再開」「再会」の意味が込められ、そこで働くみなさんは初めて訪れる私たちを温かく明るく迎えてくれ、未来へ向かって前に進み、生きている強さを感じました。
三度目は、2カ月後のユースフォーラム当日、全国から75名の青年組合員を迎え、3台のバスで2ルートに分かれ、被災地の視察案内を行うものでした。
閖上(ゆりあげ)小学校の隣接したプレハブの建物の中では、被災前後のパネル展示やDVDを上映し当時の様子を地元ボランティアのみなさんに語っていただいたり、バスの中では連合宮城青年委員から、普段テレビでなどでは伝えられないような現在の状況について報告してもらいました。
また、参加者とともに「閖上さいかい市場」を再び訪れ、まさに「再会」を果たしたメンチカツ屋のおばちゃんから「おかえり」と言われたことはとても心に残っています。
翌日には、参加者から「被災地で感じたこと」「今後私たちにできること」についてグループ発表をするなど、今後職場に戻ってからも東日本大震災について伝え、考えていただくことのできる機会となったと思います。
やはり3年たっても復興はまだまだ進んでいません。
今後この時期だけにマスコミが取り上げ、意識するという感覚、「風化」してしまうことが心配です。
連合は、この3年間には「つながろう!絆・連合」として、全国の地方連合会で復興支援の活動を継続して行なってきました。
今年もボランティア活動などを継続、特に今年は「こども応援プロジェクト」と題し、地方ブロック連合会と連携して活動を行います。
東海ブロックでは連合静岡が幹事となり、夏に東北から被災地の子どもたちを招いていろいろな体験をしていただき、秋には静岡の子どもたちが被災地へ訪問する予定です。
連合愛知としても、連合本部と連携し風化させない取り組み、防災・減災を考え、実行していきたいと思っています。
私もまた東北を訪れる機会を設け、仮設などから立ち直っての「再開」、現地のみなさんとの「再会」を楽しみにしたいと思います。
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