私たちにできること

備えに万全を期す

 3月11日に発生した「東日本大震災」から約1カ月が過ぎました。ようやく一部の地域においては、救援から復旧の段階へ入ってはいるものの、依然行方不明者は約1万5千人、避難生活を強いられている人も16万人を超えるなど、復旧・復興までの道程は長期化と成らざるを得ない、といわれています。加えて、福島第一原発の被災に伴う放射能の放出が、復旧への妨げや住民生活・農水業へ深刻な影響を与えており、今回の地震・津波の被害は計り知れないものとなっています。
今後被災地に対し全国民が総力をあげ支え合い、一日も早い復旧・復興をしていかなければなりませんが、特に被災規模も大きく被災エリアも広域であることから、衣食住をはじめライフラインの復旧・復興に向けては想像し難い年月と労力・費用がかかる事が想定されます。加えて、燃料費の高騰や経済がさらに低迷することも視野に入れなければなりません。私たちは、今までの生活レベルを維持できないということを否応がなしに受け入れることも含め「支え合う」ことが求められています。
今回の甚大災害を捉え「想定以上」という言葉がよく出されています。しかし、一方では「現状の対策を肯定したいがために過去の災害規模を学ぼうとしなかったのでは」との主張もされています。自分自身も16年前の阪神・淡路大震災から何を学んだのか、時間の経過とともに災害の記憶を置き忘れてきたのでは、と自戒の念をもつようになりました。
幸いにして被災を免れた私たちにできること、今回の災害を「対岸の火事」と認識するのではなく、これを機に再度「備えに万全を期す」ことに尽きると思います。 また、私たちは組織された労働組合の責任として、「災害に強いまちづくり」の政策を再チェックし、必要な対応を講じるよう関係組織に働きかけなければ、との思いを新たにしました。



男女共同参画の実現に向けて

世の中、男女共同参画やジェンダーの言葉が叫ばれて久しいですが、職場や組織の中で女性が意思決定の場に参画している割合は、2009年の※ジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)では109カ国中57位(2008年は108カ国中58位)であり、国際的水準から見ても日本の男女共同参画は進んでいません。そんな中、連合愛知では、女性の人材育成を目的として、今年で3回目となる「女性リーダー養成講座」を実施しています。この講座は開校式と修了式を挟んで全3回の講座があり、4月からスタートします。内容は、労働組合の基礎知識や労使交渉、女性リーダーからのアドバイス、女性の国会議員による政治の話、社労士やメンタルヘルスの専門家の話、企業による女性の活躍推進、愛知県の男女共同参画の状況等、多岐にわたるカリキュラムとなっています。この機会をいかし、それぞれの組織の中で女性の役員が増えていくきっかけになればと思います。この講座は、連合愛知の男女平等参画推進計画「ACTION PLAN AICHI-Ⅱ」(2008年11月~2012年10月)に基づいて実施しています。来年度も引き続き実施する予定ですが、これまでの計画を検証しながら進めていくことになります。本講座は、過去2年間で35名の修了生を輩出しており、情報交換の場になるとともにネットワークづくりの場にもなっています。今年の受講生も含め、修了生が今後、職場や組合の中でリーダー的存在として活躍してくれることを期待しています。
※ジェンダー・エンパワーメント指数(GEM) 政治及び経済活動への女性の参画を示すもので、国会議員、管理職、専門職・技術職に占める女性の割合及び男女の推定所得格差を用いて算出した指数





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