古今東西、労働運動はさまざまである。しかし、今は画一的な労働運動を組合役員は求めているような気がしてしまう。思い返すと、私が労働運動に初めて出会ったのは組合結成のとき、今から約35年前のこと。当時は争議行為としてストライキに突入する事は珍しくなく、結成したばかりの私が属した組合も例外ではなかった。賃上げ、一時金、秋の権利闘争と、よくストライキに入ったものだ。その時代は労働組合もいろいろで、組合長が変わると闘争自体も過激になったり、会社との融和を大事にしたりしたものだ。また、中には、一貫して上部団体志向の組合や独立独歩で他からの意見はまったく聞く耳をもたない組合など、『十人十色』、いや『十組合十色』であった。当時は、パソコンもインターネットもない時代。組合員同士の心の通じ合いや喧々囂々の議論をしながら、労働運動をしたものである。現在は情報化が進み、他の組合の動きや社会情勢も知ることができ、苦労をして諸先輩方が作った労使関係の道標もしっかりと示された中で、前年踏襲型の活動を、今の労働組合は知らず知らずのうちに求めているような気がしてしまう。これが、マスコミでよく取り上げられる、一番保守的な団体と言われる所以なのであろう。


これからの労働運動は多種多様な活動を求められると思う。新しい分野に活動を展開する際には、自分が属している労働組合の生い立ち(歴史)が参考になる場合が多くある。古き時代のこととは言わず、自分の組合の歴史を見つめ直してほしいものである。ほとんどの組合が経験した「労働組合誕生のとき」、「合理化を経験したとき」、「大きな争議を経験したとき」、必ずその時々に英雄が登場していたのではないだろうか。


さて、ここで提案。忘れてしまう前に自分の組合の歴史書を作ることをお勧めしたい。後輩のために・・・、そして今日の基礎を築いた諸先輩に敬意を払い、大事な労働組合を更に発展・強化させるために・・・





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