「ワーク・ライフ・バランスの推進」という考え方は、いかにも日本人らしい考え方だと思います。「生活のために働くのか?働くために生活をしているのか?」単純に考えれば多くの人が「生活のために働いている」ということになるのでしょうが、これまでの日本人労働者は、時間ももちろんのこと人生そのものを仕事に捧げているように見えます。


先日テレビで「無縁死」を取り上げていました。「無縁死」は、生涯単身者だけではなく家族がある人でも起こりえるということが、事例をもとに報道されていました。例えば、ある60歳代の男性は、仕事を第一に考え過ぎて家庭をかえりみなかった結果、家族を失い、頼みの会社も定年後は繋がりが失われたことにより、「無縁死」に至ったということでした。かつて多くの成人男性は、人生を働くことに費やすことで、家族に感謝され自分も報われると信じていました。しかし、その結果が「無縁死」なのであれば、働くということは何なのかと感じます。仕事とは何か、人生とは何かと考えれば、「ワーク・ライフ・バランス」などと形にとらわれるのではなく、節目節目で自らの人生そのものを見直すことが必要なことだと思います。


4月に施行される改正労働基準法に対する企業の対応も、不況による業績不振もあり十分進んでいないようですが、今後は国際会計基準の動向も含め、企業においても従業員が心身共に豊かな生活ができるよう早急に制度を整えてほしいものだと思います。





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