お菓子の賞味期限改ざんに始まり、農薬入り中国ギョウザ、牛肉・ウナギ等の偽装表示…、そして、ついに日本人の主食である「米」や子どもたちの「給食」にまで毒が回っていたことが白日にさらされました。これまでは、危険なモノは自己責任で買うのを避ければ“安全”などと勘違いしていました。ところが、一部企業による不正犯罪に止まらず、公的年金の管理をはじめ行政の怠慢や癒着なども、不正を知らなかったのは「国民だけ」という有様です。また、日常茶飯事のようにニュースとなる尊属殺人や無差別殺人、詐欺や横領といった犯罪など、私たち「日本の不安全・不安心」はここまで深刻で根が深かったのかと痛感させられる昨今です。 こうした原因は何かと考えてみると、結局はバブル崩壊以降の構造改革路線、すなわち、生き残るためには自分さえよければ良いという、弱肉強食の競争社会を許してきたことにあると思えてなりません。当時、「規制と競争のない社会は停滞を招く」と叫ばれ、もっともらしく聞こえていましたが、たどり着いた今日の「格差と二極化による貧困社会」は、無秩序な規制緩和と過当競争が社会を崩壊させることを如実に示しているのではないでしょうか


連合は、「働く者の連帯で、公正な社会を」という政策の実現を呼びかけています。ここでいう 「公正な社会」とは、同じルールと対等な条件の下で、誰もが正々堂々と活動できるしくみを備えた「公正な競争で成り立つ社会」です。どんな人でも、まじめに一生懸命努力すれば、将来に希望のもてる安心や安全が保障されることを求めています。そのためには、誰かだけがズルをして得をするということがない相互信頼の関係としくみが必要です。 今まさに「公正な社会」に向かうギアチェンジのときを迎えました。自分の利益や欲求のために他人を犠牲にしてしまうのでは、信頼とか、連帯とか、絆とか団結が生まれるはずがありません。私たちは疑心暗鬼になるのではなく、不正には敏感に対処し、力を結集して共に正していく素早い行動が大切だと感じています。





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